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まっちゃん部長日記

まっちゃん部長日記@太陽生命セブンズ・グランドファイナル札幌大会


 オールアウト(All Out)である。7人制女子ラグビーの太陽生命シリーズ最終戦、グラウンドファイナル札幌大会で、日本体育大学は総合5位と健闘した。がんばった選手たちの笑顔がはじける。北の大地に花咲くヒマワリのごとく。


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 「オールアウトしきりました」。“ねえさん”こと、28歳のOG、堤ほの花(ディックソリューションエンジニアリング)の言葉には「やりきった」という充実感があふれていた。今年のチームスローガンが『All Out やるか、やるか』。ロッカールームの壁にも白い模造紙に墨字でそう、大きく書かれていた。

 「最後に勝つのは日体大!」との文字もある。初戦の準々決勝ではナナイロプリズム福岡に僅差で敗れたものの、5-8位決定戦にまわって、北海道バーバリアンズディアナに逆転勝ち、5位決定戦では東京山九フェニックスにもしぶとく逆転勝ちした。


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 3試合とも先発したメンバーは4人。つまりは先発メンバー、リザーブの総力戦で戦ったことになる。日体大は太陽生命シリーズで、6位、8位、6位、そして年間最終順位を決める札幌大会では5位となった。トップ8のうち外国人選手を擁しないのは自衛隊体育学校PTSと学生チームの日体大だけである。学生らしく、チームでひたむきに、しぶとく戦ったことに価値がある。


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 合言葉通り、最後の試合には勝った。古賀千尋監督も笑顔だった。

 「どんなに劣勢でもひっくり返すのが日体大という意味の言葉ではありますが、最後に勝って、気持ちよく終われました。本来持っている力を全部出せた。その上でナナイロさんには負けた感じです。ま、みんなでやれた。すごくよかったです」

 

 ◆室温20度のドームで開催。古賀監督「涼しいのはサイコーですね」

 

 日曜日の8月17日、札幌の大和ハウスプレミストドーム(旧札幌ドーム)。これまでは酷暑の中の試合がつづいたが、この日は室温20度に空調が設定された屋内での戦いとなった。ラグビーはこうでなくっちゃ。グランドレベルの送風口から冷たい風が吹く。


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 古賀監督の述懐。

 「涼しいのはサイコーですね。チームは、ベストパフォーマンスだったと思います」

 最後の5位決定戦。3戦とも先発出場の高橋夏未、谷山三菜子がゲームをリードする。序盤、日体大がいいテンポで攻める。高橋夏未がタックルし、谷山がスティール(旧ジャッカル)を試み、相手反則をもらった。PKから高橋夏未が前に持ち出し、外の1年生のピンクヘッドキャップの浦山亜子(長崎・大村工高卒)につなぎ、右中間に先制トライを決めた。どうでもいいけれど、浦山さんはワタシの同郷となる。


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 でも、前半終了間際にトライを返され、後半序盤にもニュージーランド出身のサバナ・ボッドマンにディフェンスを破られてトライを奪われた。ここでメンバー交代。入ったばかりの元気な持田音帆莉(ねおり)主将がタテを突き、これまた入ったばかりの紺色ヘッドキャップの齋藤紗葉(すずは=関東学院六浦高卒)が鋭利するどいランで切れ込んで同点トライを決めた。谷山がゴールを難なく蹴り込み、14-12とした。

 

 ◆1年生の大内田、勝負所でファインプレー「狙っていました」

 

 ここからが勝負どころだった。日体大の強みは「“ココどころ”を知っている」ことだろう。いわば集中力。後半の中盤。ハーフウェイラインあたりの接点で相手のボールをひきちぎる。こぼれたボールを、1年生の大内田葉月(福岡・修猷館高卒)がサッと拾って持ち出し、ピューと寄ってきた堤ほの花にパス、“ねえさん”が数十メートルを走り切った。トライ~~~。ゴールも決まって21-12と差を広げた。どうでもいいけれど、大内田さんはワタシの高校の後輩となる。


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 地味だけれど、あれはファインプレーでした。試合後、そう言えば、大内田は「狙っていました」とキャハハハと笑った。天真爛漫の笑顔。

 「初戦でナナイロさんに悔しい思いをしたけれど、その次は勝って、最後にも勝って、とっても気持ちいいで~す」

 

 ◆持田主将「暑さに弱いメンバーが生き生きと」

 

 ノーサイド寸前にトライを返されたが、日体大は21-19で勝利した。途中から交代出場した髙橋夢来(ゆらら)、島本星凜(きらり)、橋本佳乃もからだを張った。

 持田主将は「勝利で締めくくれてよかったです」と言った。

 「今日は涼しかったです。寒いくらいで。いつも暑さに弱いメンバーが、生き生きとしていました。最後に勝ち切ることができて。とってもよかったです」

 終わりよければすべてよし、である。


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 スタンドには遠路はるばる駆け付けた保護者の方々の姿もあった。日体大のタオル、ブルーと紺色の横縞の小旗を打ち鳴らしていた。は~い、みなさんで声を合わせて。

 「最後に勝つのは~、ニッタイダイ!」


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 ◆元気な1年生トリオ。浦山「ミスを恐れずにチャレンジ」

 

 緊張から解放されたからだろう、試合後、1年生トリオは一緒になってはしゃいでいた。楽しそうで。いいなあ、若いって。

 先制トライでチームを勢いづけた浦山は、「トライとれてうれしかったです」と初々しい。大会プログラムを開けば、メンバー紹介のところにはこう、書いてある。

 <1年生らしくミスを恐れずチャレンジします!>


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 齋藤はこうだ。空中戦にはめっぽう強い。

 「(空中戦は)得意です。4大会を通して、自分の通用するとこと、通用しないところがはっきりわかったので、これからもがんばって進化していきたいです」

 

 ◆ナナイロセブンズに敗北。古賀監督「決定力がなかった」

 

 あまり思い出したくないけれど、初戦のナナイロセブンズ福岡戦は詰めの甘さが出た格好だった。“際(きわ)”の厳しさが足りなかった。

 “たら・れば”は禁句ながら、前半終了間際に同点トライがとれていれば…。前後半とも最初に失ったトライはいずれもキックしたボールを反撃されたものだった。キックチェイスを厳しくしていれば…。

 終了間際にもトライを許し、0-19と大量リードを許した。でも、日体大は最後まであきらめない。電光掲示の数字は「9:10」。つないで攻めて、最後は橋本佳乃が意地のトライをマークした。5-19でノーサイド。このワントライが反撃のノロシとなった。

 古賀監督は、「決定力がなかったですね」と振り返った。

 「相当、ゲームプランは練っていたんですけれど、ナナイロさんとは細かな部分で差が出ました。詰めの甘さですね。チェイスのところとか、ハンドリングエラーとか。まあ、それも実力のうちです」

 

 ◆バーバリアンズには逆転勝利。“スピトレ”の成果、谷山「練習はウソをつかない」

 

 5-8位決定戦の初戦、北海道バーバリアンズディアナ戦も苦しい試合だった。

 先制トライを奪われたが、堤ほの花がトライを返し、前半終了間際には元気印の松田奈菜実がうまくつなぎ、高橋夏未がトライを加えた。後半、ディフェンスを破られ、2トライを追加され、14-19となった。だが後半5分30秒過ぎ。谷山が鋭いステップでタックルをかわすと、50メートルほどを駆け抜けてど真ん中に同点トライを挙げた。

 紺色ヘッドキャップからのぞく束ねた長髪を揺らして。ヘッドキャップの左横には出身校の佐賀工高のモットー『不撓不屈(ふとうふくつ)』の白い文字。自らゴールを蹴り込んで、21-19と逆転した。

 2年生にしてエース格の谷山、足がはやくなった。そう、見えた。そう言えば、「スピトレのお陰です」と言った。何ですか、スピトレって?

 「スピードトレーニングです。2月から、朝からみっちり、みんなでやってきたんです。そのお陰で、これまで走り切れなかったのが、ことしは走り切れるようになりました」

 授業がない金曜日の午前中、約2時間、ダッシュ練習を繰り返してきたそうだ。言葉に実感をこめる。

「ほんと、練習はウソをつかないと思いました」

 パッパッというステップのキレ、ひねりの動作は、子ども時代のゴルフのスイングのおかげだそうだ。


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 古賀監督も、谷山の成長を認める。

 「昨年は入学直後から大慌てで駆け抜けた感じでしたけど、ことしはリーダーシップをとりながら、ゲームメイクをするのは自分だという自覚が芽生えてきたと思います。自分の役割がなにかがはっきりわかっているのでしょう」

 

 ◆ピンチ救った堤のタックル、水野のサポートプレー。堤「オール・オッケー」

 

 もうひとつ、北海道バーバリアンズ戦の勝因を探せば、ノーサイド寸前のゴール前ピンチの堤ほの花のタックルだろう。

 差は2点。猛反撃のバーバリアンズがボールを左オープンに回し、ゴールライン寸前まで攻め込んだ。ここで堤がボールごと猛タックル。足をかいて倒し切り、青色ヘッドキャップの水野小暖(こはる)がスティールにいった。相手がボールを離さず、反則をもぎとった。PK。大内田がこれを蹴り出してノーサイド!

 いやあ、ねえさんはしぶとい。勝ち味を熟知している。

 堤ほの花は「もう、絶対にボールにいかないといけないと思って」と声を弾ませた。

 「(相手は)重かったです。そこにコハルが来てくれて。意地でも“ゴールラインは割らせないぞ”って。最後、いい形で終われてよかったです」

 それにしても、トライも何本もとってくれました。そう言えば、涼しい顔で、「いやいや」と右手をひらひらさせた。

 「トライをとるのが私の役目なんで。しっかり相手を振り切れてよかったです」

 さすが、ねえさん。エライ!


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 「最後にみんなの息が合ったというか、練習してきたことが発揮できたというか、成長できたのかなと思います。一番は、やっぱりリザーブのメンバーがしっかり戦えるようになったことでしょうか。チームとして、これまでとは違うセブンズのラグビーができたのかなと思います。それがオモシロかったです」

 充実感のにじむ、やさしい笑顔を浮かべる。

 「上にはいけなかったんですけど、自分たちの力は出し切ることができました。オール・オッケーです。オールアウトです」

 

 ◆古賀監督「成長を感じられた(セブンズ)シーズンでした」

 

 最後に古賀監督にまとめていただく。

 「成長を感じられたシーズンでした」と、セブンズ(7人制)シーズンを総括した。

 「自分たちの強みが何かわからないままシーズンに入っていたと思いますけれど、各自が自分たちの強みをもう一回見直すことによって、チームとして迷いがなくなりました。思い切って、みんな、伸び伸びやってくれたんで、それがすごくよかったです」

 これでセブンズ(7人制)シーズンは終わり。15人制シーズンに移っていく。でも、ラグビーそのものはまだまだ終わらない。進化はつづくのだった。

 

◆ありがとうございました

 

 余談をいえば、歓喜に沸くロッカールームから離れ、通路を歩いていたら、「松瀬センセ~イ」と持田主将に声をかけられた。ロッカー室から部員たちがどどっと出てくる。狭い通路に並んで、頭を下げてくれた。

 「ありがとうございま~す」

通路に声が響きわたった。おっさん、こういうのに弱いのです。つい涙腺がゆるんだ。お礼が言いたいのはこちらのほうです。

 がんばった選手たち、チームスタッフ、大会を支えた運営スタッフ、札幌まで来た保護者、日体大ファン、そしてYoutubeで応援してくれた方々。

 みなさん、ありがとうございました!


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  (筆:松瀬学、写真・善場教喜さん<ドームと観客席は筆者撮影>)



 
 

まっちゃん部長日記@太陽生命女子セブンズ花園大会


 炎暑の夏、アツいアツい死闘がつづく。7人制女子ラグビーの年間王者を決める太陽生命女子セブンズシリーズの第3戦・花園大会。大会名にふさわしくギラギラ太陽が照り付けるなか、日本体育大学は学生らしく走り回ったけれど、残念無念、燃え尽きた。6位に終わった。

 「“選手がかわいそう”としか、言葉が出てきません」と、日体大の古賀千尋監督は漏らした。言葉に滋味がにじむ。

 「(選手は)ほんとうに疲れていますよね。みんな疲労困憊でしょ。ほとんど熱中症ですよ」

 グッド・ジョブ! ほんと、よくがんばった。強い陽射しで荒れた芝生。気力を振り絞った選手。汗だくで声を枯らした保護者とノンメンバー。熱中症で倒れたベテランカメラマン。唐突ながら、ここで一句。

 <女子ラグビー 見てるこちらも 熱中症>


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 ◆怒とうの攻めも相手ディフェンスちぎれず

 

 8月3日。東大阪市・花園ラグビー場。日体大にとっての大会最後の試合は、午後4時過ぎキックオフの5位決定戦だった。相手は、横河武蔵野アルテミ・スターズ。


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 実は日体大は九州大会同様、熱中症で主力がひとり、欠場さざるをえなかった。スタンドでは汗だくの保護者、ノンメンバーが濃紺と薄いブルー横縞の日体大の小旗を打ち鳴らす。気温が34度。大声がうだる暑さを吹き飛ばす。

 「いけ、いけ、ニッタイダイ!」

 「最後に勝つのは、ニッタイダイ!」

 「やるか! やるかっ!」


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 あえて勝負のアヤを探せば、序盤の攻防だっただろう。日体大は立ち上がり、攻めていった。大きく右に左にボールを回し、横河ディフェンスを揺さぶった。でも、ちぎれない。右オープンに回して、島本星凛(きらり)が右ライン際を疾走する。あと1メートル、結束のタックルに阻まれ、ゴールラインには届かない。

 ターンオーバー(攻守逆転)を許し、一気に反撃を許した。でも、島本がスティール(旧ジャッカル)を仕掛けてペネルティーをもぎとる。頑張り屋の松田奈菜実が力強いランをみせる。エース格の谷山三奈子が巧みなスクリューパスでつなぐ。でも、日体大は敵陣深くに攻め込んで痛恨のノックオン。

 横河に一気に70㍍ほど走られて、先制トライを奪われた。松田が懸命に追いかけたけれど及ばなかった。でも、最後まであきらめない姿勢に心を打たれた。

 

◆持田ゲーム主将「取れるところで取り切れなかった」

 

 結局、日体大は0-12で敗れた。ノートライ。古賀監督はさばさばした口調で続けた。

「相手のディフェンスが素晴らしかった。最後までちぎれなかったから。逆にこちらはハンドリングエラーが多かった。チャンスの場面でエラーを繰り返してしまいました」

 暑さのせいだろう、日体大の持ち味のプレーの精度が鈍っていた。そう見えた。勝負どころのしぶとさがこの日は影を潜めた。

 ただひとり、5位決定戦でフル出場した持田音帆莉(ねおり)ゲームキャプテンは試合後、こう悔しがった。

 「取れるところで取り切れなかった自分たちの甘さが出ました。もう暑さでからだもココロもぼろぼろですね。花園が思った以上に暑すぎて…」


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◆北海道バーバリアンズ戦。あきらめない。ロスタイム齋藤が意地のトライ。

 

 学生チームはまだ、成長途上である。

 毎大会、毎試合、経験を積みながら学んでいく。

 持田は言った。

 「チーム13人、総力戦で戦えることがわかりました。今回もシニアの大人の方々からたくさん学びを得られたので、一度、チームに持ち帰って分析して、どう改善して戦うかを考えて、次(札幌大会)は頑張りたいと思います」

 そういえば、花園大会前には、学生だけで心理セミナーを受講し、スロースタートの改善につとめたそうだ。早い時間帯の1試合目で負けることがあったけれど、マインドセット(心構え)を意識することで持ち味を発揮することができた。

 大会1日目は、午前9時過ぎキックオフの北海道バーバリアンズ戦には21-12で快勝した。2試合目の躍進のナナイロプリズム福岡には17-21で惜敗。3試合目の追手門学院大学ビーナスには24-19で勝利した。2勝1敗で準々決勝へ。

 8月3日の午前9時過ぎからの準々決勝は、ナナイロプリズムとの再戦となったが、12-22で雪辱を果たすことはできなかった。

 髙橋夢来が先制トライを決めたが、日体大OGの永田花菜に2トライを奪われて、逆転された。後半はフィジー出身のレアピ・ウルニサウにディフェンスを壊され、2トライを献上した。ただ、あきらめない。

 ノーサイドのホーンが鳴ったあとも、日体大は攻め続け、最後は橋本佳乃が右手をぐいと伸ばしてボールをインゴールにたたきつけた。意地は見せた。

 日体大はあきらめないのだ。5-8位決定戦に回った日体大は初戦でまたも北海道バーバリアンズと対戦。1点ビハインドの日体大はロスタイム、つなぎにつないで、齋藤紗葉(すずは)が左隅に飛び込んだ。掲示板の時計は「8:08」だった。ナイストライ! 感激屋のおっさんはそう、心で叫んだ。

 松田が、左隅の難しい位置からのドロップキックを蹴り込んで、28-22としたのだった。そして、5位決定戦へ。

 

◆堤ほのか「学生らしくがんばって優勝で締めくくりたい」

 

 いつも陽気な齋藤(関東学院六浦高卒)はまだ19歳、ピカピカの1年生。

 「えっと。暑くて、結構、体力失われました。しんどかったです。もうちょっとできたかなと反省しています」

 チームでは、ホープ大内田葉月(修猷館高卒)、浦山亜子(大村工業高卒)も19歳。齋藤はニコニコ顔で言い切った。

 「次(札幌大会)は涼しいので、悔いのないよう、走り回ります」

かたや、“ねえさん”こと、28歳のOG堤ほの花もがんばっていた。試合後、アイスバス&シャワーのあと、涼しげな顔で「いや、疲れました」と笑った。

 「最後は勝って終わりたかったんですけど、相手のディフェンスがよかったですね。ある意味、13人、14人で戦えた大会だったかなと思います」

 いつもポジティブ。

 「まずからだをリカバリーして、次(札幌大会)は上を目指すだけですから。私は学生じゃないけど、学生らしくがんばって、優勝で締めくくりたいと思います。今度は楽しく、笑顔で会場を帰りたい」

 それにしても、若い! この存在感。いるだけで、チームの雰囲気が明るくなる。がんばるモチベーションは?と聞いた。

 「う~ん。ラグビーが楽しいからじゃないかな」

太陽のごとき笑顔で言葉を足す。

 「何かを倒したり、何かがうまくいったりすれば楽しいでしょ。ま、うまくいったと思えば、次はうまくいかなかったり、で、またうまくいったり、いろいろありますけど。やっぱり、奥が深いところがオモシロいですね」

 

◆最後に勝つのはニッタイダイ!

 

 これで太陽生命女子セブンズシリーズは、1戦目の熊谷大会が6位、2戦目の北九州大会は8位、この花園大会は6位となった。シリーズポイントは26点で総合7位。

 この順位は次のグランドファイナル札幌大会(8月17日・北海道・大和ハウスプレミストドーム=旧札幌ドーム)の組み合わせに影響するが、年間順位となる総合順位には特に影響はない。第3戦までのポイントは持ち越さず、札幌大会での総合順位決定トーナメントで順位が決まることなる。つまり、昨年までのフォーマットと違い、札幌大会に出場するどのチームにも優勝のチャンスがあることになる。

 古賀監督は、「ことしの方式は学生にとってはありがたい」と言う。

 「毎回、学びがあって、最後まで成長し続ける事ができますので。大会ごと、そう一喜一憂する必要がなくて済みます。最後に(順位を)ひっくり返そうという希望は残せますから」

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 ここで、ひと呼吸。

 「この2週間、まずはリカバリーして、細かい修正をしていきたい。相手がどうこうではなくて、自分たちに矢印を向けていきます」

 そうなのだ、自分たちのラグビーとは、何よりマイボールを継続していくことだろう。基本に忠実、アタックもディフェンスのラインも崩れない。走り負けないこと。高いラグビーナレッジ(理解度)と集中力。たとえ1対1で後手を踏んでも、チームとして相手を凌駕する。

 そして、勝負のしぶとさ。相手に挑みかかる気概。

 All Out やるか、やるか。

 

 それでは、みなさん、ご唱和ください。声高らかに。

 「最後に勝つのはニッタイダイ!」

                                (松瀬学)

 
 

まっちゃん部長日記@明治記念館

 

 日本ラグビー協会は7月27日、女子ワールドカップ(W杯)イングランド大会(8月22日開幕)にのぞむ15人制日本代表メンバー32人を発表した。

 日本体育大学勢としては、学生がバックロー向來桜子、プロップ峰愛美、センター畑田桜子の3人、卒業生はプロップ小牧日菜多(東京山九フェニックス)、フッカー谷口琴美(横河武蔵野アルテミ・スターズ)、ロック櫻井綾乃(横河武蔵野アルテミ・スターズ)、バックロー細川恭子(三重パ―ルズ)、スタンドオフ山本実(YOKOHAMA・TKM)、センター小林花奈子(横河武蔵野アルテミ・スターズ)、フルバック松田凛日(東京山九フェニックス)の7人のトータル10人も選ばれた。

 日本代表は8月2日にイタリアに向けて出発し、8月9日にイタリア代表と対戦する。その後、ラグビー発祥の地、イングランド へ移動し、女子W杯に臨む。1次リーグC組の日本(世界ランキング11位)は24日にアイルランド(同5位)、31日にニュージーランド(同3位)、9月7日にスペイン(同13位)と対戦する。

 

 日本代表は27日午後、東京港区の明治記念館で壮行会にのぞんだ。ラグビー協会関係者や、日体大女子の古賀千尋監督ら所属チーム関係者、選手の保護者らが参加した。

私も参加し、モールのごとき、参加者の群れのすき間をすり抜け、栄えある日体大関係者の決意をこっそり聞いて回った。以下の通り。

 

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【学生】

 ▽向來桜子

 「2度目のワールドカップなんですけど、1回目とは状況も環境も随分変わっているので、まずは自分らしく楽しみたいと思います。心強い(日体大生)2人と一緒に選ばれたのがうれしいです」

 ▽峰愛実

 「ワールドカップに選ばれてうれしく思っています。ここまで支えてくれた家族やチームメイト、たくさんの人に支えられて今まできたので、しっかり感謝の気持ちを持って、(W杯で)がんばってきたいと思います」

 ▽畑田桜子

 「ワールドカップのメンバーに選ばれたことをとてもうれしく思います。初めてのワールドカップなので、自分らしく、思い切りプレーしたいです」

 

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【卒業生】

 ▽小牧日菜多

 「一緒にやってきた仲間と一緒にサクラフィフティーンのラグビーを体現してきたい。がんばってきます」

 ▽山本実

 「ベスト8に進出するのはもちろんなんですけど、サクラフィフティーンのラグビーをラグビー発祥の地のイングランドで見せ、現地の人々を魅了したいと思います。ちーさん(古賀千尋監督)から教わった日体ラグビーも披露してきたい。日体生がグラウンドにたくさんいるとプレーしやすいと思います」

 ▽松田凛日(7月26日のスペイン戦で左足を負傷。壮行会は松葉づえ姿で出席)

 「足のけがを治して、できるかぎりの準備を尽くしてがんばります」


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